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高野山の赤不動

日本の仏様には縁日があります。この日に参詣すると普段以上の御利益があるとされています。たとえば毎月5日を水天宮、25日を天満宮、8日を薬師、18日を観音の日としています。

 

明日は28日、不動明王、つまりお不動さんの縁日です。不動は最も信仰さえている仏様のひとつです。皆さんのお近くにも不動尊があることでしょう。

 

去年の4月28日に、高野山明王院の赤不動の、年に1度の開帳に行ってきました。青蓮院の青不動、三井寺の黄不動とともに日本の3不動の一つとされていますが、赤不動の開帳は4月28日の不動の縁日に年に1回だけあります。

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3不動はいずれも仏画ですので、みる機会が極めて少ない仏です。黄不動は大阪市立美術館で、青不動は青蓮院での特別の居開帳で拝観する機会がありましたが、赤不動だけは観たことがなく、いつかは是非にと思っていました。

赤不動は年に一度、しかも高野山に出かけなければならないので、難易度の高い拝観です。きっぱり決断しないと機会を失いますので、去年は何が何でもと強引に飛び出しました。

幸い現地の天気予報は良さそうでした。どこかに、赤不動は晴天の時だけ公開とあったのが、頭の片隅に残っていました。


朝6時ころ金沢を出発し昼過ぎに高野山に着き、腹ごしらえをして明王院に向かいました。さほど広くない薄暗い本堂はほぼいっぱいの人で埋まり、100人以上はいたでしょう。

本堂に割り込んで何とか座りましたが、その寒いこと。太陽はでていたのですが、日陰はふるえるほど、やはり標高900メートルです。

 

待つこと2時間近く、本堂に僧が入ってきたのですわっと思いましたが、それから般若心経唱えたり、各種儀礼が1時間ほど続き、腰が痛く疲れが頂点に。

そこでようやく御開帳です。10人くらいづつが厨子の前に招じられ拝観しました。
はじめは真っ黒の闇を見ているようでしたが、しだいにあの赤色の世界が下半分に広がり、図録で見る二童子が目に入ってきました。

 

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視線を上方にやりますが不動の姿らしきものはあるのですが、黒いままでした。

写真の印刷はどうしてあんなに鮮やかなのかと思うくらいで、本物は黒い靄の中にありました。ちょっと残念でしたが、仏さまとはそんなもやっとしたものでもあるのだろうという気持ちになって、本堂を後にしました。

 

驚いたのは各地から集った開帳を待っている人々でした。僧侶と終始一緒に般若心経ほかの経を唱えており、仏教美術を観る人というより厚い信仰を持つ信者でした。般若心経一つ唱えられないことを恥ずかしいと思ったものです。


4月28日、明日は高野山明王院の赤不動の御開帳、1年前を思い出しました。
日本で人気のある仏は不動のほかに、観音、地蔵があります。この3つの仏は、現世や来世(現当二世)でのご利益があり、親しみやすさが好まれているようです。

お不動さんが親しみやすいとしましたが、異論もあるでしょう。
不動尊は忿怒の表情で威嚇しており、怖いところもあるからです。

 

この不動明王は大日如来の化身とも考えられており、異教のものさえも仏教へと導きます。仏は対象や願いに応じて、柔軟な菩薩の姿をとったり、また忿怒にあふれた明王の姿をとるのです。願望の内容により救ってもらえます。

不動尊像は各地の真言密教の寺院に数多く伝えられています。
28日の不動尊の日に、時には静かに仏に向かい合って祈ってみてはいかがでしょう。


追記
じつは若いころ以来ずっと、仏教美術を観る際、飛鳥・天平や白鳳期といった年代の古い仏が真の仏像だと錯覚していました。
しかし金沢大学の森雅秀教授の話を聞いたり著書に出あうようになってからは、9世紀以降の密教の仏たちにも大いに関心をもつようになりました。

たまには仏様の縁日に顔を出しています。その日、寺は荘厳されきらびやかになり、普段とは全く違う顔になっています。

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