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いまどきの隠居の妄想

これは東京の友人から聞いた隠居の話である。

 

薬局で働いている40歳前後の福島県出身の娘さんが、父親が隠居をするというので様子を見るため実家に帰ったそうである。父はこの娘さんの弟(夫婦)に財産を譲り、近所づきあい、親類との交際をすべて弟に任せるということだ。

 

いまどき隠居という言葉を聞いたことがないので興味をそそられた。私は何年か前に年賀状をやめるための口実として、この度隠居いたしましたので云々と、冗談半分に書いたことがある。

 

そもそも隠居とは、辞書によると、官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと、またその人のことだ。落語に出てくる横町の隠居は、閑そうにして日長火鉢の前に座っているおじいさんだろう。隠居という言葉にはのんびりした、ちょっと豊かな感じが漂っている。

 

だが実際に旧民法では実効があり、戸主が生前に家督を相続人に譲ることをいった。

1947年までの旧民法では、家族の統率・監督を行うための権限である戸主権を戸主に与え、戸主たる地位を家督と言った。

家督を家督相続人に承継させる制度が家督相続で、隠居は家督相続の開始原因の一つである。

隠居者自身(または法定代理人)による隠居の意思表示に基づき、隠居者と家督相続人が共同で届出を行うことにより、戸主の生前に家督相続が開始する。

文末の注に示したが、隠居の実際はかなり厳しいものであって、隠居したからと言って、悠々自適の生活を送るとは限らない。

 

 

見たように法律用語では実効を伴うものだったが、今は慣習としての隠居に過ぎず、身の回りの範囲だけでそのように認めあう、一種の宣言っていいだろう。

 

このお嬢さんの父親の隠居を推測するに、この家は旧家なのであり、相当の財産があるのだろう。私のように冷やかし半分に隠居と言うのとは断じて違う。

 

またその地方の一部に隠居の習慣があって、近所や隣村でも隠居宣言をしている家があるのだろう。付近には古き良き風習が根強く続いているのだろう。

 

しかも聞くところによると、実家の庭に新しく隠居所を新築して、そちらに移るそうである。やはり旧家で、財産が豊かな家なのであろうと、隠居と言う言葉の魅力にひかれて妄想を広げてしまったことである。

 

 

改正前民法では普通隠居ができる条件として

1.(年齢)満六十年以上なること(752条)

2.完全の能力を有する家督相続人が相続の単純承認を為すこと(752条)

を挙げていた。

隠居すると戸主は戸主権を失い、新戸主の戸主権に服することとなる。

(ウィキペディアより)

 

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