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JUGEMテーマ:秋の気配
買った本で2度読むことはめったにないし、全然読まずに山積みのままでおくら行きになった本の方が多くある。全集を購入しても読むのは2、3巻まで、であとの20巻は手付かずなどということは幾度もある。
そんな意味では漱石全集は繰り返し何度も読んでおり、コストパフォーマンスは非常に高い。しかし、それとは問題にならないほど、何回も何回も手に取って、程よい使用感がある本がある。国語辞書ではない。
俳句歳時記である。25年ほど手元にあるが、俳句づくりに必携であるばかりでなく、季節感を味わうには最適である。10種類以上の歳時記を求めたが、手元に残ったのが角川書店の「合本 俳句歳時記 第三版」である。吟行にも家庭でも使え、必要十分な情報が収められている一冊である。
その中身についてである。俳句の季語は季別に、春、夏、秋、冬、新年の順に掲載されているが、合本に収められているのは2514の季語だと同書にある。使っていると夏の部が他より分厚いのはわかっていたが、巻末に収録季語数の統計表がついているのに最近気づいた。
それによると、春552、夏724、秋503、冬510、新年225の季語が掲載されており、やはり夏の季語がダントツで多いことがわかる。
夏だけがなぜ飛びぬけて多いのだろうという疑問がわく。
季節の季語をさらに項目に細分化した数も載っている。その内訳は時候、天文、地理、生活、行事、動物、植物の7項目となっている。
内容を見ると動物の季語の合計は329のうち、夏が127(39%)もあり、2位・春の75を50ほども上回っている。また植物は合計696だが夏は245(36%)と、2位の秋より50ほど多くなっている。夏の動物+植物の季語の占める割合は、夏ののうちなんと51%に上っている。
ここで差がついているだけで、動物・植物を除いた季語の数は、四季ともにほぼ同じような数(新年は除く)になることを発見した。
夏の季節には動物が野山で活躍し、種々の花が咲き乱れるということが、統計表の中身を見るとわかって、面白かった。
歳時記の巻末にあった面白いデータを見つけた。歳時記本体には、もちろんまだまだ未知の世界が残されており、何を見つけることができるだろうか。