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三四郎の面白さ

 

今年の漱石読み初めは、遅くなったが『三四郎』。

10回目くらいだが、だんだん好きになってきた一編である。

 

読書家ではないが、ぼちぼち小説を読んでいる。

 

今年に入って読んだのは、川上弘美が多く、『ぼくの死体をよろしく』、『蛇を踏む』、そして長編『森へ行きましょう』で、あいだに三浦しおん『舟を編む』を再読している。

辞書編纂が内容の『明解物語』は3分の1で挫折した。

 

どちらかというと、いいと思った一人の作家をまとめて読むほうだ。

 

 

『三四郎』の青春小説としての一面は、自身の青春に重ね合わせる面があって、文句なく懐かしく楽しい。

 

また漱石が書いている文明に関する警句やユーモアも好ましい。だから『三四郎』について語ろうとすると、一節を引用したくなってしまう。

 

今回はこんな部分をー

 

「どうも好きなものには自然と手が出るものでね。仕方がない。豚などは手が出ない代わりに鼻が出る。豚をね、縛って動けない様にして置いて、その鼻の先へ、御馳走を並べておくと、動けないものだから、鼻の先が段々伸びて来るそうだ。ごちそうに届くまでは伸びるそうです。どうも一念ほど恐ろしいものはない」

 

こんなことを言って、にやにや笑う男が描かれている。漱石が考えたのか引用かはわからないが、面白い。漱石のユーモア・笑いは落語と結び付ける向きがある。

 

そういえば『猫』で、苦沙弥の友人で美学者迷亭が、ホラ話で人をかついで楽しむ姿としてたびたび登場する。

 

こんなちょっと、ばかばかしく、わけありげな挿話が好きなのである。

この世間には無縁で、実生活には全く関係ないところにある笑いには、何とも言えないおかしみ、味わいがある。

 

 

しばらくは漱石と川上弘美を読んでいるだろう。

 

 

漱石のロンドン5番目の下宿。こんな記念プレートがついている

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